PRESENT

サンジェルマン・デ・プレ   油彩 / 4F
サンジェルマン・デ・プレ   油彩 / 4F

208th  Exhibition

── 郷愁の街を求めて ──

第23回 斎藤良夫展

 

2019年 10月05日 (土) 〜 10月25日 (金)

※ 10月20日(日) 作家来廊

 

遥かなる天涯の下に、誰もが心に抱くのだろう、懐かしき街が在る。内なる郷愁の地を求めて、画家は幾度も海洋を渡り魂の故郷を描き続けた。渡欧を重ねる事50余年、イベリアの辺境で、フランスの都邑で、イタリアの城塞で、憂愁に煙る追憶の街々が今その門扉を開ける。

モンテフリオ (2019)    油彩 / 10F
モンテフリオ (2019)    油彩 / 10F

斎藤 良夫  Saito Yoshio (1936〜)

 

千葉を拠点に活動して来た、現代油彩画の第一人者。油彩表現の可能性を追求し、長年にわたって油彩一筋に専念して現在に到る。深い趣に彩られた欧州風景・力強く躍動する海景・静謐な情趣を湛える静物・更には大胆な抽象表現に到るまで、その世界は多様な広がりを見せるが、そこには一貫して暖かく豊かな詩情が溢れている。

優れた感性のもとで、時に繊細に、時に奔放に、自在な技巧を駆使して描かれるその作品は、独特の郷愁と遥か

な浪漫を色濃く湛えながら、それがいかなるモチーフで

あっても、常に高い品格と質実な情趣をその内に宿す。

福島県に生まれるが若くして千葉に移住、故堀田清治を

師として画業を研鑽した後、故林武にも師事を仰ぎなが

ら、独自の画風を創り上げて行く。師の遺志を継いで長

く新槐樹社を舞台に活躍した後、委員長としてグループ

を率いるが後に退会、現在は会派にとらわれない独自の

活動を展開している。毎年夏に東京芸術劇場にて開催さ

れる、「日本の海洋画展」への招待出品を始めとして、

都内・県内の画廊における意欲的な個展を重ねる中で、

NHKを始めとしたテレビ局からの数々の出演以来もこ

なし、近年は千葉県文化会館やお台場・船の科学館にて

作品展が催される等、高い評価と賞讃を獲得しながら、

新しい境地への弛まざる探究は、未だ止みそうにない。

若年より数多い外遊を重ねながら、独自の作風を確立し

て後もそこに留まる事なく、安住を嫌って常に新しい挑

戦を繰り返して来たが、自らの道を真摯に歩み行く中で

生み出されるその作品は、巷に溢れる安直な油彩画とは

一線を画し、本物だけが持つ深く尽きない詩趣と共に、

悠然たる風格を湛えて見る者に迫る。堅実な写実表現を

基盤として、更なる新たな表現を希求する、本格油彩画

の本道を貫く数少ない作家の一人であり、人気や流行に

左右される事のない文字通りの「実力派」として、これ

からもその活動からは、目を離す事が出来ないだろう。