PRESENT

あの日の猫   板にアクリル / 27.3x44.8
あの日の猫   板にアクリル / 27.3x44.8

211th  Exhibition

── 猫町奇譚 ──

第7回 安元亮祐展

 

2020年 01月08日 (水) 〜 01月27日 (月)

※ 01月18日 (土) 作家来廊

 

夜も更けて月の冴える頃、路地裏の猫たちはいつか詩人となる。月影は瞳に落ちて、星影は尾に宿り、詩人は透

き通る大気の中で、しなやかに流れるソネットを唄う。

満を持して、5年ぶりに贈る安元亮祐の世界。所は猫町

「猫」尽くし、のんども鳴りますごろごろと。妖しくも

懐かしい詩人達が繰り広げる、魅惑の夜会にようこそ。

 

アウトサイダー  オブジェ / H39.5cm
アウトサイダー  オブジェ / H39.5cm

安元 亮祐  Yasumoto Ryosuke  (1954〜)

 

詩情溢れる幻想的な世界を、多様なメディアで表現する詩人。布や紐などを巧みにコラージュしたアクリル作品をメインとして、ドローイング・エッチング・ガラス絵、更にはレリーフオブジェと呼ばれる立体作品まで、多岐に亘る独自の表現を展開する。人物・動物・風景・静物等、様々なモチーフを通して描かれる独創的な世界は、どこか異郷的な情趣を湛えて、独特の不思議なノスタルジアをかもし出す。常にスタイルを変化させながらも、一貫してアクリル表現の可能性に挑み続ける、その意欲的な制作に、いよいよ共感の輪は広がりつつある。

 

「安元さんの絵を見ると、うらやましさを感じる。夢の世界を何の気負いもなく伸びやかに描く、星の光とそっ

くりの、その澄んだ目に。これは、画家に対する詩人の

嫉妬なのかもしれない。私達はあらゆる音を耳にしなが

ら、その実何一つ発見出来ないでいるのに、安元さんは

無心の少年のように足取りも軽く歩き回り、永遠が放つ

純粋な音を聞き取っている。俗世の苦味にいよいよ耐え

難くなった時、私は安元さんの描く夢の世界を散策し、

あの澄んだ音を聞きたいと思う」    松永伍一 (詩人)

 

「どこか淋しく、どこか生暖かい孤独な風景。遠い昔ど

こかで出会った光景のような気もするし、夢とうつつの

間で漂った時間のような気もする。異質な世界と懐かし

い世界とが、叙情的に溶け合っているのである。後日、

不安でありながら、澄んだナイーブなこの感性は、画家

が音のない世界で制作しているからだと分かった。

海辺や町並みを濡らす驟雨のように、デリケートでしっ

とりとした画肌は、私達を限りなく懐かしい詩人の風景

へと誘ってくれる」        池田満寿夫 (版画家)