PRESENT

古い画筆のある (2024)        混合技法 / 50x50cm
古い画筆のある (2024)        混合技法 / 50x50cm

264th Exhibition

── 春日清閑 ──

第21回 中西和展

 

2024年 02月29日 (木) 〜 03月17日 (日)

※ 02日(土), 03日(日) 作家在廊

 

柔らかな沈黙の中で、時はいつまでも動かない。画面はただひたすらに「寂」として、澄み渡る閑けさだけが、穏やかに空を満たす。俗世の泥濘を清々と離れ、曇りなき楽土へといざなう寂静の絵画。今春21回展を迎えいよいよ自在な表現を見せる、画匠・中西和の「今」を。

画家近影               ※ギャラリー桜の木 案内状より
画家近影               ※ギャラリー桜の木 案内状より

中西 和 Nakanishi Mutsumi (1947〜)

 

深い精神性と高潔な品格を湛えて、独特の静謐な世界を描き出す本格派作家。油彩から出発して様々な試行錯誤を重ねた後、墨・水彩・テンペラ等種々の画材による描画に、絵具を何度も洗い流して、更には紙を削り出す等のユニークな技法を施す、現在の独創的な制作に到る。描くモチーフは、野菜・果実・陶磁器・野の花等のごく身近な物を中心に、あまり取り上げられる事のない稲穂や麦穂・炭等にも及び、更には山川草木の綾なす自然の風景や、時に古刹・仏像までの幅広い領域にわたるが、

そこからは共通して、柔らかで静穏な情趣が香り立つ。

その世界は澄み渡る「和」の精神を感じさせながらも、

定型化・形骸化した旧来の日本画とは一線を画し、むし

ろ日本画・洋画という狭い範疇を超えて、新しい「日本

の美」ひいては「東洋の美」とも言える世界を創出して

いる。時に悠久の詩情を湛え、時に寂静の気韻を醸し、

決して声高に叫ばない静穏な境地を保ちつつも、質実な

光彩を毅然と宿す画風──どの流れにも属さないその特

異なオリジナリティーは、会派や団体を嫌ってあえて在

野を貫く、純粋で誠実な魂から生まれ出たものだろう。

全国各地の個展で高評を博する現在も、自ら額装を手掛

ける徹底した制作姿勢を崩さず、数少ない妥協のない実

力派として、いよいよ共感の輪を大きく広げつつある。

 

「私はただ、描きたいものを描きたい風に、仕事を連ね

て来たに過ぎない。私の作品にある種の宗教性を見る人

もいるが、私自身は確たる信条めいたものは持たずに描

いて来た。もしかするとそれは、絵を見てくれた人の心

の内にこそ、あるものかも知れない。私は目の前にある

ものをひたすらに見て、無心に描いて来ただけである。

石ころから仏まで、あらゆるものを描きたいと思う。石

ころであれ仏であれ、描く時は何の区別もなく、ものと

して同じ重みを持つ、かけがえのない存在なのだから」